Bandos
- BEACHES -





 美しすぎる海を目の前にすると、
 
 少しだけせつなくなる。

 この海の側に暮らせない空しさ。

 現実から完全に逃避してしまうには、

 自分はあまりにも無力で、小さい。

 与えられた幸せの時間は短すぎて、

 瞬きをするのも惜しくなる。


もう、説明は不要ですね。バンドスの美しいビーチを、お楽しみ下さい。



午前中、早い時間はビーチを独り占め。
あなただけの特等席。
どこから来たのか、木の根っ子。
静かに海を見守り続ける。
初めてのパラセイリング。
高い所はへいちゃらなはずなのに、
いざ、空に放り出されると、
圧倒的な孤独感。
けれど、一瞬たりとも目を離せない、
美しき環礁。
パッセージを漂うダイバーの姿まで、
くっくりと目に映る。
バンドスには花がいっぱい。
南国の花々が、トンネルを作る。
暑い午後の陽だまりを、オアシスに換える。
夢中で海亀を追いかけて、
ふと海面に顔をあげた瞬間。
きらめく波の向こうには、
小さな小さな無人島。
クダ・バンドス。
ここは小さな無人島。
太陽がてっぺんに昇りつめる時、
椰子の葉が、ゆらゆらと水面に揺れる。
それは、海が一番美しく輝く時間。
一島一サギ(笑)。
楽しすぎた一日が暮れてゆく。
明日も素敵な出来事が待っていますように。
コロナ・ビールを傾けながら、私は祈る。

ビーチで眺めるサンセットほど、心乱すものはない。
Sunset Kiss




 長い時間、海を見続けていると、元気が漲ってくる。

 そして、この海を、この目で見つめることのできる自分は、

 本当に幸せだと、心から思う。

 デッキチェアから立ち上がって、すぐ先に迫った旅の終わりと、

 待ち受ける現実をほんの少しの間、考えてみる。

 戻る場所があるからこそ、海は輝き、そして美しく見えるのだと、
 
 当たり前の答えを見出して、私は満足する。

 都会の雑踏の中で、私はきっと思い出す。毎日のように。

 この世には、信じられないくらいきれいな海が、
 
 いつでも自分を待っているのだと。


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