Michaelmas Cay
Great Barrier Reef



野生の鳥たちが集まるという、グレート・バリア・リーフの小さな島、ミコマス・ケイ
透明度も抜群というので楽しみにしていたのに、当日の空はどんよりと曇り、オーシャン・スピリッツのクルーズ船に乗り込む頃にはパラパラと雨が降り出す始末。
けれど、沖に出ればきっと元気な太陽が顔を見せてくれるだろうと、楽観的に考えて、船に乗り込んだのでした。






鳥さん集団
操縦室を隠し撮り

船上でチェック・インを済ませると、早速、熾烈な席取り合戦が始まる。
デッキでのんびり日光浴というわけにはいかないので、雨を避けられる場所となると限られている。
大きなオージーの方々がひしめき合う中、どうにか席を確保。
ちょっとした隙に図々しい一家がひょいと荷物を置いてしまうので、トイレに行く時にも必ず椅子に物を残しておかなければならず、これにはちょっと閉口してしまった(-_-;)。
晴れていれば、デッキで日焼けを楽しもうと思っていたのに・・・・・・。

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すっきりしない空の下。ようやくミコマス・ケイが見えてくる。
島の周囲にはびっしりと珊瑚が生息しているので、クルーズ船は少し手前で停泊。ここから小さなボートに乗って島へ上陸することとなる。
ボートは頻繁に往復してくれるので、泳ぎ疲れたら船に戻って、デッキでお昼寝もできる(晴れていればね・・・)。
母がセミ・サブマリンに乗りたいというので、その間、1本だけ潜ることにする。
ダイビングは午前と午後の2回で、日本人スタッフによると、午後の方が沖合の美しい珊瑚礁が見られるからおすすめとのこと。 ということで、ランチタイムまでは島に渡って過ごすことにした。

ヒッチコックの映画のごとく、島には鳥がみっしり。 あいかわらずの曇り空。せっかくの海もきれいに見えない。太陽の光があってこそ、海は美しく輝くのだ。 それでも負けじと少しだけシュノーケリングをする。珊瑚の発育はよろしいようで、晴れていたら(しつこい)きっときれいだったことでしょう。



ずっと強い風が吹き、時折雨が浜を濡らしても、
鳥たちは精力的に繁殖に励んでいる。
そして母は、悪天候にふて腐れている私とは対照的で、
雨なんぞどこ吹く風とばかりに、夢中で鳥たちを観察している。
「ほら、あそこの鳥たちが今、交尾を終えたとこ」
「あのギンカモメはさっきから相手を探してうろうろしているけど、まだ見つからない」
と、ケタケタと笑う。
やれ、鳥さんたちも気の毒に。
ただでさえ邪魔な人間に性生活のことまで突っ込まれるなんて、
夢にも思っているまい。


←サラダ・コーナー。
トマトが固くてまずい。
生野菜は日本の方が
おいしいですね。
→トロピカル・フルーツは
かないませんけど。
「あのヒナの親鳥が帰ってこない」
と、心配する母を無理矢理引き連れて船に戻り、お楽しみのランチタイム。
数あるグレート・バリア・リーフ・クルーズの中からミコマス・ケイに決めたのは、
このランチに定評があるからこそ。
ディナー・クルーズも催行しているだけあって、料理はどれも新鮮でおいしい。
手の込んだものはないけれど、ぷりぷりの海老や何種類ものサラダ、
香ばしいチキンにかりっと揚がった白身魚、鮮やかなフルーツ等々。
てんこ盛り(写真)を食べて、さらにおかわり。
ついさきまで鳥たちの愛くるしい姿を熱心に眺めていた母も、
「チキンがうまい!」とおかわりしていました。



お腹いっぱいになったところで、ダイビング。
小さなボートに乗り込むと、天候のせいか、ものすごく揺れる。
かなり波が強いんじゃないかと心配になったけれど、体験ダイバーと一緒に潜るのだから、まさか危険なポイントには行くまい。
潜ってしまえばさほど波はなく、大きなシャコ貝、バリアリーフ・アネモネフィッシュ等々、陸では鳥たち、海の中では魚たちが元気一杯。
野生動物にとっては、この程度の雨なんて、単なる自然の営みのひとつにしか過ぎない。
天候でいちいちへこたれていては、生殖活動なんぞできないのだ。
そんなわけで、今日も動物たちにパワーをもらいました。




海から上がると、既に出航時間。
ゲスト全員の乗船を確認すると、ウェットスーツを脱ぐ間もなく船がゆっくりと動き出す。
1時間ほど後、遥か遠くにケアンズ・ハーバーが見えてくる頃になると、シャンパンがふるまわれる。
別れの杯といったところか。
この日初めて口にするお酒は甘美で、ダイビングで心地よく疲れた身体に染み渡る。
カウンターでおかわりをもらうと、びっくりした顔をされた。一人一杯なんですね。すみません。
飲もうと思えばあと3-4杯は軽く飲めそうだったけれど、顰蹙を買いそうなので、やめておいた。

とうとうお日様を拝めなかった。けれど、暑さが苦手な母にとっては紫外線を気にすることなく、
心ゆくまでバード・ウォッチングを楽しめたので、逆に良かったのかもしれない。
負け惜しみではなく、この島には日陰になりそうな木も何もないので。



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