Beach & Town
 ホテルを一歩出た途端、「トゥクトゥク」「トゥクトゥク」の声。
 歩道沿いにずらりと並ぶ、プーケットの足“トゥクトゥク”は、かわいらしい赤色のタクシー。けれど、一度も乗る機会がなく、写真だけ。夜は毎晩、プーケットいちの繁華街、パトン・ビーチへ繰り出した。
 メルリン・ホテルは街中でも端の方にあるとはいえ、裏門を出るとすぐに、無数に点在するレストランや土産物店の熱気に包まれる。歩いているだけで、お祭りに来たような気分を味わえて、楽しい。
 陽に焼けたヨーロピアンたちが値段交渉をする様子。色とりどりのタイシルクを手に、客を呼び込む売り子たち。アジアのパワーが凝縮された、なんとも楽しい散歩道である。
 どこを見ても私の大好きな布が積み上げられ、 かわいらしいお香セットにも心惹かれる。どこで買えばいいのか、わからなくなるほどの店舗数で、どのお店も隙間なくぎっしりと土産品が並んでいる。ついついお財布のヒモも緩くなり、シルクのベッドカバーやら三角クッションやら、しこたま買い込んでしまった。
 けれど、ウキウキしていると、とんでもない目にあうから、ご注意を。露店の靴屋で亭主のスニーカーを買った時のこと。袋に入れるだけなのに、店のおばちゃん、なぜか一瞬、姿を消して、
「はい、お待たせ」
 これはアヤしいだろ、と、袋を覗くと・・・・・・。
 左右のサイズが違うじゃないか! すぐに取り替えさせたけれど、レシートなんてくれないから、そのままホテルへ持って帰っていたら、あぶないとこだった。





←布〜!! 全部欲しい!



魚・さかな・サカナ♪
 陽が沈む頃になると、たくさんの氷と新鮮な魚介類を乗せたミニ・トラックが、オープン・エアのレストラン前に停車する。
 テーブルに蝋燭が灯され、プーケット名物、シーフード・レストランが開店する。
 タイ料理もよいけれど、海に囲まれたこの地では、やっぱりシーフード!
海の子の私は、なんと言っても魚には目がない。普段は肉派の亭主も、迷わず夜はシーフード・レストランへ直行。
 ガラ・ディナーの夜を除いて、毎晩、思う存分シーフードを楽しんだ。
 バリのイカン・バカールよりも種類は豊富で、日本では高価なヒラメロブスターも、信じられない安さ。好きなものを選んでの量り売り。
 これほど集中して魚を食べたことなんて、ちょっと思い出せない。選べる楽しさと食す幸せ。魚嫌いさんも是非! 海の恵みにきっと感謝するだろうから。
 魚を選んだら、次は調理法。焼くか、蒸すか、フライにするか。味付けもハーブ風味、レモン風味と、色々選べる。
 さて、日本人ならば当然、魚は『塩焼き』。刺身で食えなきゃ、これ以上おいしい魚の調理法はない、と私は思っている。どのお店でも何種類かのソースを一緒に運んでくれるので、こちらでちょっと味付けするもよし。お醤油が欲しければ、「ソイ・ソース」とひとこと。たまり醤油系のこってりしたお醤油を持ってきてくれます。
 さて、お腹が膨れたら、バーへ繰り出しますか。


お得な情報。カレイとひらめが、なぜか同じ魚として並んでいたので、よーく見て選びましょう。左ひらめに右カレイ。重さで値段が決まるのだから、ひらめを選んだ方がずっとお得ですよー!



パトン・ビーチにはカウンター・バーがたくさん。
写真は毎晩通った、バンタイ・ビーチ・リゾートのバー。



明日天気になあれ
 ハード・スケジュールだったので、残念ながらパトン・ビーチでは一度も泳ぐ機会がなかった。まあ、時間があったとしても、天気がこの調子では、のんびり日焼けというわけにはいかなかっただろうけど。
 最後の日の夕刻、ビーチへ出てみると、そこには明日の快晴を告げるかのような、美しい空が広がっている。
お日様には恵まれなかったプーケットの休日。帰国直前に、あんまりだ。
 けれども、たまにはこんな風に、ため息をつきながら終わる旅もある。
 今度はお日様を拝めますように。
 夕刻のビーチで、私はプーケットへのリベンジを固く誓ったのでした。




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