ニッポンの困り者〜若者編〜


 おじさん・おばさんの比ではないけれど、マナーを知らない若者がとても多い、と思うのは私が年取ったせいでしょうか。日本だとあまり感じないのに、旅先ではやたら目に付いてしまうのは、皆、気が緩んでいるせいなのか、慣れぬ海外で緊張しているためなのかはわからない。
 けれど、リゾート・ホテルのプールでゴーグルつけてクロールするのはどうだろう。スポーツ・クラブじゃあるまいし、目の前に広くてきれいな海があるんだから、そちらでやればいい、と思うんだけどね。スポーツ大好きカップルなんでしょうか。並んで競泳したりして。小さな子供もたくさん泳いでいるのに、危ないでしょう。
 レダン島の海で、水泳キャップにゴーグルつけて、海を横切っていたおじいさんがいたけれど、美しいフォームのクロールで悠々と泳ぐ姿は、かっこよかった。件のカップルも、どうせやるならここまでとことんやって欲しい。
 所変わって同じくレダンのビーチ・バー。ここでも愕然としてしまった。カウンターで飲み物をひっくり返した新婚さんは、スタッフが気づくまで、ただぼーっとしているだけだった。亭主もおろおろ、きょろきょろするだけである。いくらなんでも「エクスキューズ・ミー」くらいの英語は知っているでしょう。座席数が少なくて、座れないゲストもいるんだから、部屋で飲んでくださいな。
 愚痴っぽくなってしまった。若者責めるな来た道じゃ。ということで最後にひとつだけ。
 あれはティオマン島だったでしょうか。行きのセスナから一緒だった3人組の女の子。リゾートではレストランの数も限られているから、必然的に食事の時も見かけることになる。で、この子たち、なぜかいっつも大きなリュックを抱えていた。朝食の席であれば、このまま何かのオプショナル・ツアーにでも参加するのかな、と思うのだけれど、夕食の時間でも、毎回大荷物……。よほど大切なものでも持ってきたんだろうか、全財産持ち歩いているんだろうか。部屋にはセイフティ・ボックスがあるんだから、貴重品はそこに入れておけばいい。それが出来ないということは、ここのスタッフを信用していない、ということになりはしないか。考えすぎだろうか。これも旅先で不思議に思った光景のひとつである。
 海外旅行には失敗はつきもの。言葉も生活習慣も違うのだから、間違えたり、迷ったりするのは当たり前だ。そこを責めるつもりはない。ただ、大人としての自覚を持ってほしいだけのこと。もちろん、日本国内であってもだけれど、「日本人は非常識」なんて思われないためにも。いやもう既に思われているか。よその国へ来たのだからと何も借りてきた猫のようにおとなしくしている必要はないとは思うけれど、かといってはしゃぎ過ぎず、周りの人間に不快感を与えないよう気をつけましょう。
 ところで、荷物で思い出したけど、欧米人って、どうしてあんなに荷物が多いんだ?! バックパッカーですら、チョモランマにでも登るのか?! ってくらい巨大なリュックを背負ってる。鍋釜一式入ってるのかな……。誰か中身見せてくれないかな。


 

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