電車でごはん!


 旅行日程が近づくと、買物を控え、残り物でいかにあと数日の食卓を飾るか、という難題が持ちあがる。きゃべつやたまねぎ等、量が多くて長持ちするものはかえって買わないようにする。戻ってきたらシワシワ〜、なんてことが多々あるからだ。
 必然的に『その日中に食べてしまわなくてはならぬもの』を選ぶようになる。たとえばお刺身とかね。あとは冷蔵庫でひからびかけた肉を焼いたり、野菜室に残ったものでざっと炒め物を作ったり。
 そうして、旅立ちの朝には調味料と梅干以外はほとんど何もなーし、くらいの状態にする。当然、朝ご飯の用意なんぞ、しない。 が・・・・・・。
 冷蔵庫がすっきりしたのはいいけれど、これはこれで問題なのだ。 出勤前だろうと、旅行前だろうと、腹というのは減るものだからだ。
 先日のマレーシア旅行を例にとってみると、成田発が10:30で集合時間が8:30。 7時前後の成田エクスプレスに乗らねばならないので、家を出るのが6:15頃となる。平日の朝でも8時起きの人間にとっては、奇跡的に早起きな時間帯だ。のたうちまわって起きあがり、顔を洗う。コーヒーだけ飲んで、いざ、出陣。
 最初のうちは眠くても、新宿に着く頃になると、旅立ち前の興奮が胸の奥から沸きあがってくる。 と同時に頭も冴え、腹も減ってくるってなもんで・・・・・・。
 成田に着いたら何か食べよう、というのが一般的な人間の考えだろう。 されど、成田に下り立ったら、その足で並んでチェック・イン。手続きを終える頃には、おそらく9:00過ぎている。あと2時間も我慢できるほど、私の胃袋は従順ではない。やっぱり、家で食べるべきだった、と思ってももう遅い。何か食べようにも、そう、冷蔵庫には何もない。そして、旅立ちの朝には、ウキウキした気分にふさわしい朝食というものがあるのだ。
 ということで新宿駅に着くとまず、重いキャスター・バッグを引き摺りながら食べ物を物色する。地上階、南口に種類豊富なお店があって、ここのところ贔屓にさせてもらっている。お客の殆どが朝食あるいはお昼のサンドウィッチなんぞを買うために立ち寄ったサラリーマンで、大きなバッグを引き摺った私はいつも顰蹙を買ってしまう。でも、ここしかないのよ。ドトールは混んでるし、NEX内で買うと馬鹿みたいに高いんだから。
 ロール・サンドとコーヒー牛乳を買って、NEXに乗りこむ。ほっと一息ついてラップをあける。
 これぞ『旅立ちの朝食』。
 オフィス街を眺めながら、早足で会社に向かうおじさんたちの姿を追いながら、今日から始まる旅に思いを馳せる。
 ところで、我が家では今、札幌の祖母から分けてもらったヨーグルト菌で自家製ヨーグルトを作り始めたのだけれど、次の旅からどうしよう。1週間も放っておけば、菌が死んでしまう。1日おきくらいに、作り足さなければならないのに・・・・・・。猫の世話に加え、ヨーグルトの世話も頼まなければ。
 そうそう、成田空港第二ビルにはマクドナルドがある。別に成田で食べなくたって、と思われるだろうけれど、朝マック・メニューを食べることなど、ないに等しい日々、こんな時にしか朝メニューは食べられない。大好きなエッグ・マック・マフィンを猛烈に食べたくなる。今度は成田まで我慢してみようかな。 エッグ・マック・マフィンて、昔は1日中メニューに載っていたよの。知ってます?

 
  ←とういわけで、これが前回の朝食

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