Night Life
- ニャーニャー・バーの狂乱 -


レストランの前にはやはりバーがひとつ。
海は見えるけれど、オン・ザ・ビーチというわけではなく、パーシャル・オーシャン・ヴューといったところ。
眺めはいまいちだけれどビールはUS$3とモルディブのリゾートの中では安い方。ただし致命的なことにハッピー・アワーがない
その代わり、サンセットの時間に行くと、日替わりのおつまみを出してくれる。ココナッツとオリーブだったり、ボリュームたっぷりのツナサンドだったり。
もちろん毎日、午後のダイビングの後、ショップからそのまま直行。夕食前のビールを楽しんでいた。
で、ここにも当たり前のようにがいる。 足元に擦り寄ってくる猫を膝に乗せると、ほどなくテーブルへジャンプ。おつまみのココナッツを貪る。
スタッフもゲストも猫たちには寛容で、ここにいる限り、食事に困ることはないだろうし、人のぬくもりを恋しく想うこともないだろう。そ
して、猫を家に残してきた私たちにとっても、これは最高のもてなし。本当にチップをあげちゃいたくなるほどかわいいにゃんこたち。
どうやらこの店には特に名前はないようだから(たぶん)、『ニャーニャー・バー』と呼ぶことにしよう。


昼 → ← 夜

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2日目の夕刻、日本人の女の子が声をかけてきた。
その日の朝、私たちと同じ日に到着した一人旅ダイバー(♂)と一緒に朝食をとっていた2人組だ。
私はてっきり彼の方が、ダイビングは隠れ蓑で実はナンパ目的にやって来たとばかり思っていたのだけれど、彼女たち曰く、
「せっかく縁あって海外で同じ時間を過ごすんだから、日本人同士仲良くしよう」
というのがポリシーで、彼に声をかけたんだそう。なるほど、そういう考えもあるのかと、目からウロコが落ちた。
テーブルが近かったので夕食も一緒にとり、その後再びバーへ。すでに声をかけて仲良くなった子たちが続々と集まり、思わぬ大宴会が始まった。
大勢で飲む機会がないわけじゃないけれど、これだけ賑やかで楽しい席は久しぶり。学生時代に戻ったかのような華やかさが懐かしい。
メンバーはベテラン・ダイバーあり、現在リゾートでOW講習中あり、時にはひとみさんも加わって、深夜まで海に落としたり落とされたりの盛り上がりぶり。10年も前なら私も自分から海に飛び込んで、お開きになるまで飲み続けただろうけれど、やっぱり年には勝てず、途中、亭主を残して一人退散。
それでもバーのスタッフは、本当は0時閉店のはずなのに、毎晩、真夜中までお酒をサーブして下さったそうで、頭が下がります。
楽しかった分だけ、夜がひとつ明ける度に、休暇を終えたメンバーが一組、また一組と島を去っていくのが、本当に淋しかった。今までの旅は2人だけで十分楽しかったはずなのに。 こんな風に時間を共有できたからこそ、今回はいつも以上にダイビングも楽しかったのかもしれない。
やがて講習を終え、OWを取得して喜ぶ彼女たちの姿を見て、初めて海の世界を知った時の感動、ライセンスを手にした時の喜びとやる気を取り戻せたような気がします。
その代償と言っちゃ何だけれど、チェックアウト時、請求書を見てぶったまげた。
酒代がUS$700近いって、一体?!?!?
何かの間違いかと思ったけれど、日本に戻って報告をし合ったら、皆、似たようなもので(それでも私たちが断トツ一番)、あの狂乱の数日間、ニャーニャー・バーはかなりの売り上げがあったんじゃないか。まあこれもささやかな復興支援。そして、お金じゃ買えないものもたくさんもらった。そう考えれば、決して高くはない。

  





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