夏大好き・寒いの苦手、と豪語していた私も、年なんでしょうか、ここ数年の暑さにはへこたれそうになる。
　考えてみれば子供の頃、今日は30度もあるっ、と大騒ぎした記憶があるから、地球温暖化・ヒートアイランド化現象は かなり深刻な問題になってきているのではないか。だって、30度だったら、今じゃ当たり前の暑さだものね。
　で、いくら暑くても熱中症で倒れても、これだけは持たないぞ、と思っていたものがある。
　その名は『日傘』。
　一昔前はおばさんの夏の必須アイテムだったけれど、最近は若いOLも涼しい顔して持ち歩いているのだから、 恥ずかしがることはないのだろうけれど、やっぱり抵抗がある。亭主も、それだけはやめなよ、と言う。
　かく言う私も亭主には、
「半袖のワイシャツなんて、おっさんぽいからやめてよ」
　と、長袖ワイシャツしか買わせないのだから、夏の夫婦協定といったところだ。
　けれども、お昼休み、外へ一歩出れば日傘の花が咲いている。一秒たりとも紫外線にお肌を晒すものかと、あっぱれな乙女魂である。
　初めて傘をさして街を歩いたイギリス人のジェントルマンは、後世、その勇気を称えられることになる。 だったら、初めて日傘をさしてオフィス街を歩いたOLも賞賛に値するのではないか。 だって恥ずかしいもん、あれ。
　というわけで私はこの場を借りて誓おうと思う。
　私は生涯、絶対に日傘デビューはしないぞ、と。
　昔、タイトルは忘れたけれど、近未来を舞台にした漫画で、『日本の気温はついに40度を突破』という一文を見て、ぞっとしたものだ。でも現在、実際40度超えちゃったら、どうってことない。季節はめぐり、また雪が降るのだから、 まあいいじゃないか、くらいにしか思わない。
　暑い暑いというけれど、太陽が輝いてこそ、海は楽しいし、ビールもおいしい。夏って素敵だ。
　ああ、やっぱり夏大好きは卒業できない。ずっと夏が終わらなければいい。
　しつこいようだけれど、どんなに暑くても、お肌に悪くても、夏は最高だ。