ザ・リフォーム〜家具大移動



 連休明けからほぼ2週間の工程でリフォームが決まった。
 住みながらの床の張り替え。リビングとキッチンだけとはいえ、生活には欠かせないスペースである。けれども、当然、荷物を全て移動しなければならない。狭い寝室とパソコン部屋に靴箱から食器棚、大型冷蔵庫まで押し込めるわけである。
 当初の予定では張り替えながら移動させようかと思っていたのだけれど、工務店の親方が端から端まで床に小さな穴を開け、深さを測ったところ、一気に剥がさなければならないと言う。どういうことなのか、素人の私にはよくわからないけれど、荷物をどけろと言われれば、どけるしかないのだ。
 そして、週末の家具大移動作戦が始まった。
 まずは狭い玄関。資材を搬入するためには靴箱を撤去しなければならない。パソ部屋には絨毯が敷いてあるので、立たせるとひどく不安定。仕方なく、横に寝かせることにした。
 続いて食器棚の皿から何からを箱詰め。飲み物用に使っていた小さな冷蔵庫もコンセントを抜き、寝室へ。CDもビデオ・テープも箱に詰める。ビデオとテレビだけを残し、オーディオ関係をパソ部屋に押し込んだ。
 今、パソコンの前にどうにか座れるだけのスペースを残しているけれど、明日には、ついに大型冷蔵庫がこの場所を陣取るはずである。
 ほんの2週間のことだから、多少の不便さは我慢しなければならない。 けれど、とばっちりを受けるのは、間違いなく猫たちである。
 うちの猫どもはよその人間を異常に怖がる。特に声が大きく、歩き方が激しい男性が苦手で、職人さんなんぞは最も恐るべし存在だ。 そんな職人さんたちが何人も押しかけて日中、ずっと大きな音を出すのである。音に敏感なルーなんぞ、おしっこをちびりかねない。
 かといって、平日は仕事に行かねばならない私たち。週に1度は交互に休む予定であるけれど、毎日猫たちの子守りをするわけにいかないのである。
 こうなったら困ったときの親頼み。母に何度か泊りがけで来てもらうことにした。それでも毎日誰かがいるわけではない。心配だけれど、猫たちにもしばらく辛抱してもらうしかない。
 余裕があればウィークリー・マンションでも借りたいところだけれど、残念ながらそんな予算はどうやったって出るわけがないのだ。
 今のところは、ごちゃごちゃと置かれた荷物の間を楽しそうに飛び回っている猫たちは、もうすぐそこまで恐怖の日々が迫っていることなど、知る由もない。



 

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