ライブは背の順!



 あいたたたた……。首が痛い、腰が痛い。腕も足も、まるで棒のようだ。
 無理もない。3夜連続でKISSのライブなんぞに行けば、筋肉痛くらい当たり前だ。
 今回は公演数も多かったせいか、チケットもわりとスムースに、しかも良い席がとれた。初日はなんと、最前列! いやはや、泣けました。すべてはチケットに強い友人おかげ。いつもいつもありがとー! とこの場を借りて叫びたい。
 それにしても電話予約で最前列とは運が良い。背の低い私にとって前に遮るものが何もないという状況は本当にありがたいものだ。
 私は昔から「コンサート・背の順企画」を唱え続けている。 チケット発売の日に、スタッフが身長を測る。遠方の人は健康診断書のコピーを送る。 そう、背の低い順に座席を決めるのだ。小さな人が前方に座るのだ! 
 素敵な企画だと思いませんか? だってだって、見えないのだ。特に、傾斜のないアリーナ席だと。いつもいつも爪先立ちで、首をキリンのように伸ばしている。運悪く背の高い人が前にいたりすると、悲劇以外の何ものでもない。 今は少なくなったけれど、ひと昔前のハード・ロック/ヘヴィメタ系のライブだと、底の厚いブーツを履いて、頭のてっぺんをつんつんに立てたお兄さんたちがぞろぞろいて、迷惑なことこの上なかった。せめてブーツを脱げっ! と、何度心の中で喚いたことか。
 だから、一度くらいはいいじゃないか、背の順コンサート! もちろん、そんなことを実現してくれるアーティストは記憶にない。でも私は断言する。もし私が有名なミュージシャンだったなら、絶対にこの企画をやり遂げてみせる。まあ、有り得ない話なんだけど。
 背の順が無理であれば、せめて、条件を設定してはくれないだろうか。
 例えば、
 1.160cm以上の人は、ヒールのある靴を履いてはいけない。
 2.175cm以上の人は、絶対に椅子から立ちあがってはいけない。
 3.155cm以下の人は、踏み台を持参してよい。
 
 どうだろう? これくらいなら許されるのではないか。ライブに行く元気のあるうちに、ぜひとも実現してほしいものだ。
 そして、今回気づいたのだけれど、キッスくらいの老舗バンドともなると、高齢者のファンも目立つ。ポール・マッカートニーやストーンズあたりだと、もっと年齢層は高くなるだろうから、シルバー・シートを用意してもいいんじゃあないだろうか。年をとっても忘れぬロック魂。あっぱれだと思う。
 そしてくどいようだけれど、「コンサート・背の順企画」、万歳!


 


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