未値との遭遇



 4月の終わり、亭主が久しぶりに献血をすると言い出した。いつもなら私も付き合うのだが、友人も一緒だったので、近くの喫茶店で時間を潰し、亭主を待った。
 思えばここのところ仕事のスケジュールがめちゃくちゃで、夜遅く帰っては何も食べず、ただただビールばかり飲み、寝る前に必ず飲んでいたヒデさんのうこんカプセルも飲み忘れてしまう日々が続いた。さすがに自分でもこれはまずいと思ったらしい。身体というものは、ちゃんと危険信号を送るのだ。
 さて、待つこと一週間。血液の検査結果が家に届いた。
 早速、中を見た亭主は、無言で封を閉じる。私には見せてくれない。 無理矢理、もぎとって開いてみると・・・・・・。
 見せたくないはずである。そこには、恐るべき数値が並んでいるではないか!
 尿酸値も高いし、γ-GTPはついに三桁を超え、前回の数値の三倍にもなっている。
 肝臓は沈黙の臓器というだけあって、症状が出てからでは遅い。今のうちに何とかしなければ、と私は決心した。共働きではあっても、亭主の健康管理はやはり、妻の義務である。
 肝臓は解薬作用があるので、薬物療法は困難。とにかく安静にすることと食事療法に頼るしかない。かといって仕事をしている限り、安静にしているわけにはいかないので、徹底的な栄養管理をすることにした。
 まず、平日は禁酒。私は十数年もの間、晩酌を欠かしたことがないけれど、私が飲んでいれば亭主も飲みたくなるだろう。 ということでつきあうことに。まあ、私にしたっていつまでも若くはないので、ちょうどいい機会だろう。
 そして、本やネットで肝臓に良いメニューを探す。 肉類もよし、貝類もよし。特にこれはダメ、といった食品は少ないので、メニューを考えるのはさほど大変なことではなさそうだ。あとはバランス良く摂取すること。
 そんなわけで、仕事を終えて帰宅してからの私は急に忙しくなった。これまではビールが主食で、つまみをちょこっと用意するだけだったのが、ごはんを炊き、味噌汁を作り、おかずを2-3品、用意する。
 メインは肉、魚を一日おき。副菜には温野菜や塩分を控えた煮物、そして週に一度はしじみのお味噌汁を・・・・・・。
 と、今のところ健康的な食生活を続けている。ただ時間が限られているので、簡単なものしか作れない。そろそろネタが尽きそうだ。
 今日は代休。ゆっくりキッチンに立てるこんな日は、煮込み料理。亭主の大好きなロール・キャベツをただいま、作成中。 エリンギと絹サヤで、おすましも作ろうかな。
 献血は4ヶ月たたないとできないので、次なる結果がわかるのは8月。 めざせ二桁、γ-GGTP! を合言葉に、これからもがんばろー!
 とはいえ、今日みたいに暑い日は、ついついビールをぷしゅっと開けそうになるんだけれど。

 あ、ヒデさん、もちろんうこんちゃんは真面目に飲んでるよ!


 


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