麗しのスウィーツ
・・・・・・などというものには無縁で過ごしてきた。自慢じゃないけれど、東京で一人暮しを始めてから、自分でケーキを買った記憶はない。
たとえばデザートのバイキングなんてものは想像するだけで気持が悪くなったし、頂き物のお菓子(特に和菓子)に至っては、お仏壇に供えた後は、冷蔵庫で乾涸びてゴミ箱行きの運命を辿るのが常だった。
ところが最近、ふとした瞬間に無性に甘い物が食べたくなることが多くなった。先日は就業中にどうしても我慢できなくなり、コンビニへ走り、お菓子を買い込んでしまった。この私がKit
Katを買うなんて・・・・・・。
どうしたというのだろう。どこか悪いのだろうか? 身体に異変でも起きたのか?
いや、なんてことない。最近、平日禁酒をしているせいである。体内の糖分が足りなくなったのだ。
夕飯の後、麦茶なんぞを飲みながらテレビを観ていると、なんだか落ち着かない。ビールが飲めない、という状況にまだ慣れていないのだ
そうなると何か口に入れたくなる。そして頭に思い浮かぶのは、どうしても甘い物になってしまう。
情けない。自ら酒豪と称し、巷で人気のスウィーツに群がる女子供を馬鹿にしていてこの私が、である。この勢いだと、機内食のデザートにまで手をつけちゃいそうで怖い(一度も食べたことないです、はい)。
酒飲みの名が廃る! てなことで、ちょっと焦っている今日この頃。
それでも白状してしまうと、一度だけデザートのバイキングというのに行ったことがある。
故郷から上京してくる友人に付き合って、都内の某ホテルのカフェに入った。彼女はウキウキ。私はといえば、二日酔いで食欲などまるでない。
こってりしたチョコレート・ソースなんて、見ただけで吐きそうである。
されど結構なお値段をとられるので、少しは食べねばと、唯一甘くないオープンサンドとさっぱり系のシャーベットを食べ、別料金のアイス・ティー(\800もした。ホテルは高い!)を飲んだ。周りはお皿いっぱいにケーキを盛った女の子たちが、うっとりとした表情でフォークを動かしている。ただでさえ甘ったるい匂いが漂う中、そんな光景を見ていて、余計、気分がひどくなった。しこたま飲んだ翌日のデザート・バイキングだけは、お断りだ。
話は戻って、お酒を飲まなくなった分、よく食べるようになった。そして当然のことなんだど、胃が拡張してしまったらしい。今までより2割増し位の量を摂取しているのに、腹が減る。
なんか、胃が重い。ジーパンをはく勇気が出ない・・・・・・。
どうしよう。
やっぱりスイーツなんて言葉は、私には似合わない。早いとこ亭主のγ-GTPを標準値にして、晩酌再開しよ。
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