物を解いて、さっそくダイビング・サービスへ行ってみた。
1名だけスタッフがいたので、

「あの、ダイビングしたいんですけど」
と聞いてみる。

「オーケー。で、いつ?」

「は?」

「・・・・・・?」

お互い、顔を見合わせて笑ってしまった。
どうやらボートが出る時間は特に決まっていないらしい。

「今から行ってもいいよ。すぐそこのポイントだけど」

というわけで、早速、支度をして潜ることに。
この、ドンと名乗った彼がショップのボスなんだそうだ。
チェックダイブかと思っていたら、どうやらそうではないらしく、ごく普通にファンダイブをしただけ。
シイタケの傘を裏返したような大きな珊瑚が海底にゴロゴロ。透明度はさほどよくないけれど、久しぶりにきれいな珊瑚を見て楽しむ。



1本目終わってDSに戻ると、どこへ行っていたのか、スタッフが増えていた。

「午後は何時から潜れますか?」
と尋ねると・・・・・・。

「うーん、ちょっと難しいかも」

「えっ!?」

「3時からシュノーケリング・ツアーがあるから、とりあえずそれに参加して、その後、ボートが空いていて、海のコンディションがよければ潜れるよ」
だって。
そ、そんな・・・・・・。
人がせっかくやる気を出したってえのに、これだ。
仕方ないのでランチを食べた後は、プールサイドでうだうだと過ごす。


3時になったので、DSへ行ってみると、次々とゲストが集まってくる。プールも海も閑散としているのに、皆、どこで何をしていたんだろう。来るわ来るわ。総勢30名ほどいたんじゃないだろうか。
ツアーに行く大きなボートは沖に停泊しているので、ちっこいボートを使って、ゲストをピストン輸送する。
やれやれ、これじゃスタッフも足りないわけだ。
さて、我々も行きますか、と思ったところにスタッフの一人が声をかけてきた。

「シュノーケリングに行く? それともダイビングしたい?」

「ダイビング!」

彼の名はデイブ。この後のダイビングはすべて彼と潜ることになる。
ランテンガ島周囲にダイビングスポットは15箇所。私たちは8本潜ったので半分ほどを制覇したわけだけれど、どこも流れが穏やかで初心者向け。大物は少ないけれど、ムスジフエダイの超大群集、イエローテイル・バラクーダの大集団(これ、本当に凄かった!)やナポレオン、巨大なグルーパーなんかに会えました。


から上がって、念の為、明日の予定を聞いてみる。
すると、不安的中。

「うーん。明日は忙しいから、ちょっとわからない

明日は明日の風が吹く〜♪・・・・・・って、そりゃないぜーーー!
なんとかならないかと詰め寄ると、

「んじゃ、10時から。たぶん大丈夫」

だって。
結局、この後も、毎朝、毎回、次のダイビングの時間を念押ししなければならなかった。
「明日は10時ね?」

「午後は3時で大丈夫?」

といった感じで。
つまり、このリゾートでダイビングをするには、

 ・ボートが空いている
 ・海のコンディションに問題なし
 ・ドンかデイブが暇


という3つの条件が揃わないといかんのである。
かといって、このリゾートが
ゲストのニーズに応える=多数決
というコンセプトを掲げているわけではなく、たまたま、この時期(日本のGW)は中国の休暇にもあたるそうで、短期滞在の中国人ゲストが入れ替わり立ち代り(本当に1泊だけ滞在して帰った人々もたくさん)訪れていたので、ダイバーが極端に少かったせいもあるかも。
ココナッツはまだ知名度が低いし、ダイバーさんは情報も確かなブルー・コーラルの方へ行ってしまうんじゃないか(この時はクローズしてたけど、↑のような理由で、連泊が取りにくかったんでしょう)。
夏期休暇にヨーロピアン・ダイバーが訪れるようになれば、他のココナッツ・リゾートから応援がくるそうなので、事情は違ってくると思われます。
結果的にはデイブが必ず毎日2本連れて行ってくれたし、他にダイバーがいなくて海は貸切状態だし、私的にはとっても満足できました♪






2日目の朝。ダイビングは10時からなので、ゆっくり起きて朝食をとり、食後のコーヒーを飲んでいるところにデイブがやってきた。

「10時って言ったけど、9時からでいい?」

えっ!? あと10分しかないじゃん!!

「10分くらい遅れてもかまわないから」

と、言い残してデイブは去って行った。

大急ぎで部屋に戻って水着に着替える。
DSに行くと早速、チビボートに乗り込み、沖に浮かぶボートへ向かう。
ボートの上から、強面のごついおっさんが私たちを睨んでいる。
別のダイバーグループらしい。こっちだって好きで遅れたわけじゃないのに・・・・・・。
どこかのダイビングショップの旅行のようで、ウェイトベルトに書いてあったURLから、彼らを『デブ猫スキューバ』ご一行と呼ぶことにした(帰国後、調べてみるとクアラトレンガヌにあるDSということが判明)。
デブ猫スキューバご一行は、この怖いおやじと若者3人(♂2、♀1)、そのうちの誰の子供なのかわからない男の子2人。ちっこい方はどうみても小学校1年生くらいなんだけれど、ちゃんと潜れるのか?
まずはデブ猫一派がエントリー。怖いおやじがイントラのようで、私たちとは別行動らしい。
続いて私たちもエントリー。ここでは一気に20mまで潜行する。
見ると、デブ猫一派はすでにはるか海の底。
いやはや、恐れ入った。あんなに小さいのに、肺に影響はないんだろうか?
ダイビングを終えてボートに戻ると、亭主が言った。
「あの子供たち、俺らより上手い・・・・・・」

デブ猫一派はこの日の午後、島を去った。おやじは、最後まで怖い顔をしていた。

余談だけれど、彼らが帰った後、私に子供用のタンクがあてがわれた。小さいけれど、エアのキャパシティは変わらない。小さい分軽くて、とっても楽チン♪。エアの量が同じなら、これを規格サイズにしてくれればいいのに。


3日目の午後、DSに初めて見る顔が。
坊主頭にメガネ、上半身裸+腰に赤いパレオ。
どうみてもチベットの修行僧。なので、彼を『僧侶』 と呼ぶことにした。僧侶はココナッツグループのスタッフで、KLから応援にきたんだそうだ(後日、これを覆して、ここのスタッフだと言っていたけど・・・よくわからない)。
もう一人同じく坊主頭のスタッフがいて(ドンも坊主だった。マレーシアで流行ってるんだろうか?)、海から上がった後、彼の奥さんの手作りお菓子を何度かいただいた。
あまり甘くないドーナツだったり、マレーシアの伝統的なおやつだという、砂糖をまぶしたクッキーのようなお菓子だったり。
正直、このリゾートで食べた物の中で、一番おいしかった。

にダイバーはいなかったおかげで、今回は、どこのDSよりもスタッフと親密になれたように思う。
いつもは面倒なログ付けも、おしゃべりが楽しくて、つい、DSに長居をしてしまう。



「来年までに大きなボートを買って、レダンペルヘンティアンへも潜りに行けるようにする」

とドンが楽しそうに語る傍ら、デイブが、

「ドンは以前勤めていたリゾートで日本人の女の子に手を出した」

と暴露話を披露する。
日本から持ってきたインスタント味噌汁をあげると、喜んだ僧侶が立て続けに2杯たいらげる。
そんな感じで、日々、仲良く、楽しく、充実した時間を過ごせました。



 ◆後日談◆

 デイブではなく、ディンらしいです。
 最初に自己紹介された時、たしかデイブって言ってたな〜、くらいの感覚で、
 思い切り「で・い・ぶ!」と呼んでいたのですが、
 ちゃんと返事をしてくれていました。優しいんですね。
 

★ <)))彡 ☆ <)))彡 ★ <)))彡 ☆ ★ <)))彡 ☆ <)))彡 ★ <)))彡 ☆




ろくな写真がないので・・・開き直って・・・

THE シッポ特集〜!!
??? 君は誰? あなたは何? おぬしは違うだろ〜!



HOME>>Beach Resort Index>>Lang Tengah>>Diving>>NEXT