** 散骨業者は数あれど ** ハワイで散骨を、と決まったものの、当然のことながら初めてのことで、周囲に経験者もいるはずがありません。何をどうすればよいのか、まったくわからない状況から下調べを始めました。 まず、わかったことは次の2点。 ◆ハワイの州法により、陸から3マイル以上離れた場所で、かつ特別な禁止区域以外であれば散骨を行える。 これはあくまでもハワイでのこと。基本的に葬送の方法と埋葬については法的な拘束力は存在しません。だからといってどこにでも散骨してよいわけではなく、私有地であれば当然その土地の保有者の許可が必要になります。場合によっては埋葬許可書(火葬許可書に火葬場で裏書されたもの)や遺族であることが確認できる戸籍謄本などを提示しなければなりません。 ◆遺骨はあらかじめ砕いてパウダー状にしておくこと。 遺骨は布袋等に入れ、木槌で砕いた後ふるいにかけます。これを2〜3回繰り返すとパウダー状になります。抵抗がある方は、葬祭業者に頼む手もありますが、同じことをするのであれば、家族の手で行った方が故人にとっても納得がいくものと思います。 遺骨については、散骨が決まった時点で母がパウダー状にしておいてくれましたので、あとは「どこに」お願いするか、ということ。 ハワイでの散骨を執り行っている業者は決して多くはありませんが、検索してみるといくつかヒットします。どんなものかと一読してみると、首を傾げることがひとつだけありました。ずばり、料金です。 もちろん、お金に糸目をつけるつもりは毛頭ありませんでした。けれど、納得のいく料金とはどうしても思えないのです。船に乗って、故人の遺灰を海に流す。それだけ(と言っては語弊があるかもしれませんが)のことで何十万円ものお金が動くということが、解せなかったのです。 それでもかまわない、というご遺族もたくさんいらっしゃるでしょう。けれど、葬儀も戒名もいらないとまで言っていた父の意思にはそぐわない、と私は判断しました。 でも、かといってディナー・クルーズ船から撒き散らすわけにもいかない。さてどうしたものかと、改めて考えあぐねてしまったのです。 参考までに、調べた結果を一覧にしてみました。 |
散骨形式 | 料金 | 乗船/搭乗 可能人数 |
料金に含まれるもの | |
A社 | 船より散骨 | $2,200 | 8名 | ホテル〜港間往復送迎、船チャーター代、コーディネーター2名、花束、レイ、海洋葬証明書、遺骨用バスケット、アルコール類、スナップ写真、障害保険 |
B社 | セスナにて上空より散骨 | ¥280,000 | 5名 | 散骨手配・手続、散骨証明書、航空運賃、運営管理費 |
C社 | 船より散骨 | \230,000 | 2名 | ホテル〜港間往復送迎、花、散骨証明書 |
D社 | 船より散骨 | $3,000 | 4名 | ホテル〜港間往復送迎、手続料、保険料 遺族が乗船しない場合:$2,000 |
E社 | 船より散骨 | $650 | 2名 | ホテル〜港間往復送迎、日本語コーディネーター、乗船料(ランチ込)、花束、レイ |
F社 | 船より散骨 | $1,400 | 20名 | ホテル〜港間往復送迎、ハワイアン神父1名、日本語コーディネーター、レイ、実施証明書、損害保険 |
家族だけでなく、友人・知人も招いて、というのであれば、上記に挙げさせて頂いたようなパッケージでもよいと思います。けれど、一人で見送るにはいささか大袈裟に思えたのです。
迷っている時、ハワイで手に入れた無料情報誌をパラパラとめくっていた私は、そこに 『散骨チャーター $300』 という文字を見つけました。 早速、インターネットで調べ、その会社に問い合わせのメールを送ってみると、すぐにお返事を頂きました。情報誌は1年前のものでしたが、今も代わらず$300+TAXで散骨のためのチャーター船を出して下さるとのこと。 迷わず、お願いすることにしました。 お世話になるのはWaikiki Bottom Fishing Tourさん。 これで、ようやく決定です。 散骨式の詳細は次の章で述べさせていただきますが、参考までに、かかった費用を記しておきます。 船チャーター(ホテル〜港間往復送迎込) $300+TAX($12) 船長さんへのチップ $50 息子さんへのチップ $5 レイ&お花代 $40(個人で購入) 調べ始めた時からすれば、考えていたよりずっと低い予算で執り行うことができました。その内容も、もちろん納得のいくものでした。 |