■ ホテル『極上の夢』 ランギロア→ファカラバ間も、もちろん自由席。 勘を頼りに今度は左側に座る。 30分もすると、上空から各環礁が見えてきた。 きゃ〜、きれいっ!! 上空からの景色は、パペーテ−ランギ間よりもずっと楽しめます。 同じ便に日本人は私たちだけ。 ランギロアは思ったよりも日本人が多かったけれど、ファカラバはまだ知名度は低いようですね。 |
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小一時間で、ファカラバに到着。マイタイ・ドリームのスタッフが出迎えてくれ、ちょうど空港に来ていたダイビングショップ、テ・アバ・ヌイのボス、ジャン・クリストフ(ジャン・クリストフ!!)を紹介してくれた。 「明日からよろしく〜!」 と挨拶を済ませ、マイクロバスに乗り込み、出発! マイタイ・ドリームへ向かう途中に、酒を売っているマガザンがあると聞いていたので、車から目を凝らして探してみたんだけれど、よくわからない。あとでフロントで聞くとしよう。 |
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マイタイ・ドリームの静かなロビーに到着すると、一緒に到着したゲストとは別に、私たちだけ英語でリゾートの説明をしてくれました。他は皆、フランス人なのかな? ロビーにはゲストが置いていった世界各国の本が並べられ、日本の本も何冊かある。 それにしても、一体どこの誰がこんな美しいリゾートに来てまで『原子力のしくみ』やら『爆走伝説』なんて本を読むんだろう。ほんとにあったんですよ、『冬のソナタ』に並んで。 |
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■ ホテル『極上の夢』・・・なのかな・・・ リゾートのバンガローは全て同じ作りで、海に近い程、お値段が高くなる。 小さなリゾートだし、一番安い部屋でも、海まで数十秒なわけだから、ここはこだわらずにティアレバンガロー。 部屋に案内された直後、さっきまで抜けるような青空が広がっていたのに、暗い雲が影を作り始めた。 そのせいだけじゃないだろうけど、バンガローの周囲がやけに閑散としているように感じる。テラスの前は庭というにはあまりにもそっけないただの空き地。 小さなプールくらい作れそうなのに。せめてテーブルセットくらい用意したらどうだろう。花や植物を植えてもよし。なんだか味気ない・・・・・・。 さて、まず部屋に入ってしたことといえば、エアコンのリモコン探し。でも、そんなものは見つからない。 見つからないはずだ。当然ついているものかと思って調べてなかったんだけど、エアコンなしなんですねー、このリゾート。知らなかった。 でも、天井近くがオープンエアになっているので、結構涼しい。南国に来てエアコンなしでもあまり苦にならなかったのは初めてかも。 |
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ただし、遮るものがない、ということは当然、虫さんたちだって、遠慮なく入ってきます。 蚊、ハエ、蜘蛛、ゲッコー、蜻蛉、蜂・・・・・・ と、まあ、ありとあらゆる種類の虫・両生類たちが顔を見せてくれました。 バスルームでは蟻さんが列をなしておりました。 そして、ここだけの話、一匹だけ大きなゴキさんを退治しました。 虫なんぞちっとも怖くないけれど、さすがに蜂は困る。 虫除けを焚いているので、すぐに出ては行くけれど、ゲッコーにだけは全く効き目はないようで、ずーっと居座って, 「キュッキュッキュッキュッキューッ!」 と、やかましい鳴き声を響かせる。夜中だろうが早朝だろうが、おかまいなく。 自然の中に虫は居て当たり前 、というコンセプトなのかもしれないけど、虫嫌いの方は、悪いこた言わないからやめておきましょう。 あと、虫は虫でも、植物のひっつき虫もリゾート内のあちこちに生息しています。 足元がちくちくするな、と思ったら、パレオのフリンジにたっぷりとひっついていました。 こちらもお気をつけ下さい。 |
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殺風景な外の景色と虫の件を除けば、部屋は広くてきれいで、快適(とはいえ、虫こそが最大のネックという人の方が多いだろうな)。 夜になると間接照明が良い雰囲気を醸し出します。そのくせしっかりテレビなんぞが備え付けられているので、ムーディな雰囲気がこっ恥ずかしいという貴兄はテレビを付けて受け流しましょう。 ベッドルーム兼リビングの裏が洗面台とクローゼット、そして半屋外のシャワールームで、外へ通じるドアも付いている。海から上がってそのままシャワールームへ直行、てなこともできるんだけど、なぜか一度もこのドアは使わなかった。 |
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■ 夢の崩壊 さて、最初に通された310号室なんだけれど、実はここには1泊しかしなかった。 2日目にとんでもない出来事が起こったからだ。 それは夕食を終え、部屋に戻った直後のこと。 突然、ニルヴァーナの『Smells Like Teens Spirit』が大音響で響き始めた。 一体、何事かと驚いて外に出る。 どうやら、すぐ裏手の部屋に若者が集まり、パーティをしている様子。 パーティというと聞こえはいいけど、乱痴気騒ぎに近い騒々しさ。 私もこの手の音楽は嫌いじゃないけれど、このリゾートに求めるものは、この上ない贅沢な、かつ静かな時間の流れであって、これじゃ興ざめだ。 あんまりだ。 なぜタヒチのリゾートまで来て、ニルヴァーナを聴かなくちゃならんのだ!! すぐにフロントに電話して、注意してもらう。 ほどなく、音がだいぶ小さくなったと思いきや、お次は『イマジン』の大合唱。 もう、思い切って直接注意しようと外へ出ると、その部屋の前にトップダイブの車が停まっていることに気づいた。 なにぃ〜。ゲストだとばかり思っていたのに、トップダイブのスタッフの部屋だったのかー!! だったら尚更、遠慮なく言わせてもらおうじゃないの。 再びフロントに電話するも、誰も出ない。 仕方ないのでこちらから出向き、ようやくレストランにいたスタッフをつかまえて事情を説明する。 これでもうおとなしくなるだろう。と、思ったらやっぱり甘かった。 さすがに音楽は止まったけれど、延々とおしゃべりする声が響いてくる。 こちとらダイビングで疲れてるし、こういうのって、一度気になりだすと、耳についてもうどうしようもない。 この先、滞在中ずっと、こんなことが起こるのだろうか。 意を決してもう一度フロントへ抗議に行く。 フロントのおばちゃんは困った表情でトップダイブへ電話する。今度はトップダイブ側も譲らないようで、長く会話が続いている。 そして、一体どういう契約形態になっているのかはわからないけれど、ホテル側はあまり強く言えない様子が伝わってきた。 そして、おばちゃんの話す言葉の中に、『ジャポネ』という単語がはっきりと聞こえた時、私の頭の中でぷっつりと糸が切れてしまったのです。 クレーム入れているのがフランス人だろうがインドネシア人だろうが日本人だろうが、関係ない。 だいたい、日本人の滞在客は私たちしかいないんだから、どこのどいつが文句言ってんだー、となったら、すぐにわかってしまうじゃないか。 んもおおおー、我慢できない! マイタイドリーム(最高の夢)が笑わせる。眠い頭をフル回転させて私は訴えた。 ◆同じゲストであればともかく、スタッフ側であるトップダイブがゲストを煩わせるとはなにごとか。 ◆こちらとて社会人なので仕事を終えたらビールを飲みながらストレス発散したい気持はわかる。でも、この場合、彼らのそんな都合は私たちの滞在には全く関係ないこと。 ◆それをホテル側が容認するのであれば、ゲストの部屋から、もっと離れたところにスタッフルームを設けるべきである。 ◆こちらが払った宿泊代には、ずっと憧れてきたこのホテルの雰囲気と静寂に対する代価が含まれている。 ◆贅沢なほどの静けさの中でリラックスするためにこのマイタイ・ドリームを選んだのであって、まさかあのような大騒ぎを聞くはめになるとは思わなかった。 ◆ホテル側が彼らを止めることができないのであれば、明日でよいので部屋を変えてほしい。 フロントのおばちゃんはひたすら恐縮して、 「ベリベリソーリー、マダム」 と繰り返し、移動できる部屋をチェックしてくれた。 「一番端っこだけれど、ビーチフロントの部屋なら、今すぐに移れます」 今から引越しぃ〜? でもせっかくのアップグレード。非常識でやかましい連中からも開放される。 「わかりました。すぐに荷物をまとめます」 「では、30分したらお手伝いに伺いますので」 というわけで、深夜のお引越しとなりました。 トップダイブのおかげで長くなったので、リゾート編、次ページ続く→こちら |
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