主文、被告人を・・・
前へ出なさい、MJ。
貴方を『懲役6ヶ月、執行猶予3年』の刑に処します。
今、どんな気持ですか? 貴方の非常識な親戚が言ったように、
「冗談でやっただけなのに、運が悪かった」
と思いますか?
少し前にこちらでも書いた(『生きるべき者、死すべき者』)、猫虐殺犯MJに対する判決が下った。
上記の通り、『懲役6ヶ月、執行猶予3年』だ。
これはもう、人間様至上主義ニッポンにおいては、奇跡としか言いようのない事例だろう。
書類送検のみで終わるかと思われたこの事件は、怒りの治まらない人々により署名運動が行われ、異例の逮捕・起訴となった。
今回被害にあった猫は飼い猫ではなかった為、罪状は動物愛護法違反のみである。最悪の場合、罰金100万円で終結する事件であった。生命は100万円では取り戻せない。たとえそれが猫であっても。
署名運動はさらに続く。マスコミ各社へ訴え、検察庁、裁判所へ3000通を超える上申書が提出された。
これまで、数え切れないほど多くの動物が虐待され、その手口がどんなに残虐であっても後ろに手がまわるまでにはいかなかった悪魔たちの存在、罪を罪として裁いてくれない法の壁に対し、動物愛好家たちは我慢の限界を超えていたのだ。
人々が動き、検察も動いた。そして、異例の『有罪判決』となった。
この事件をきっかけに動物たちを救うべくHPを立ち上げられた方、嘆願書のフォームを作成してくれた方、遠方はるばる裁判所へ赴き、
勇気をもって辛い事件の詳細を聞いてくれた方々には、本当に頭が下がる。
一人一人の力が終結した時、奇跡が起こることを、MJは思い知ってくれただろうか?
こんな大事になるなんて、予想もしていなかっただろう。彼にとっては「たかだか猫一匹を殺しただけ」のことだったのだから。
さて、執行猶予の3年間でMJの心は変わるだろうか。見たことも抱いたこともない一匹の猫のために、これだけの想いが寄せられたことを受けて、生命の大切さをわかってくれるだろうか。そうなって欲しいと祈るしかない。
目には目を、という言葉がある。名前も顔写真も住所も家族のプライバシーまで公開され、もう、十分じゃないか、とは思わないでもらいたい。
貴方の愛する人が、生きたまま身体を切り刻まれるとしたら。そこがどこかもわからぬ場所からライブ中継されていたとしたら。
3年間、それだけを考えていてもらいたい。それが、犯した罪に対し、MJに与えられた、生き地獄なのだから。
そしていつかその地獄から這い出すことができた時、MJの目にも、どんな動物だって、この世に生きる者、すべてが美しく見えるだろう。
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