■ リゾート・ホテルの栄枯盛衰 ■
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たとえば、クチンあるいは近くの都市に住んでいて、ちょっと週末は海を見てリラックスしてみようか、というのであれば、そこは充分満足できる場所だろうと思う。 海から吹く風は乾いて気持良いし、静かで、景色も素晴らしい。 けれどもこの1年、マレーシアの海に恋焦がれ、胸躍らせてきた私には、何もかもが物足りなかった。 おそらく、期待しすぎた私が悪いのでしょう。 それでも、正直に書こうと思う。決して怒ってるんじゃないんです。 これだけの設備がありながら活かしきれていないのが、すごくもったいないと思ったからです。 南の島の休暇に求めるものは、人それぞれですし、なんだそんなことかって、思う人も多いはず。 あくまでもこういう風に感じてしまう人種もいる、ってことでご理解いただければと思います。 |
- マイ・ウェイが響く夜 -
ようやくチェックインできたのが夜の9時すぎ。Room No.は456とのこと。ベル・ボーイさんに案内されエレベーターでに部屋の前まで行くと・・・。あれ、これって152のキー。 「???」 3人顔を見合わせて首を傾げていても埒があかない。もう一度エレベーターで1Fに降りて部屋に入る。 よくわからないけど、エレベーターは一機しかないから、1Fの方が都合いいかも。ということで納得して、お腹もすいたし、遅い夕食をとることにする。 サテーとフィッシュ・アンド・チップスでまずは「カンパーイ!」 お腹も満たされたので、ちょっとバーへ行ってみよう、ということになる。 がっ!! なぜ・なぜ・なぜ・・・・・・。なんだってカラオケがあるんだよ!?!? そりゃ私も正直、嫌いではない。けれど南の島に来てまでそんな俗っぽいもん、見たくも聞きたくもない。 しかもオヤヂ2人がデュエットしてるっ! ハモってもいないくせに、なんで2人? そしたら次はスキンヘッドのおじさん、これだけはやってくれるな、と願っていた「マイ・ウェイ」を熱唱。 意外とリゾートにはカラオケがあるけど、こういったバーとは独立してるでしょ、普通は。 止まり木のカウンターは実にいい雰囲気なのに、これでぶち壊し。冗談ではない。バカンスに来ておやじの歌声なんぞ、聞きたくもない。たとえ演歌だろうと、英語の歌だろうと。
- テラスでビールを・・・ - 夜のバーはあきらめるよ。プール・バーがあるから、昼間飲んでやる。とにかく長旅で疲れたから翌朝は7:30にモーニング・コールをお願い・・・したら、なんと、6:00に起こされた。 「セブン・サーティ」が「シックス」に聞こえてしまうほど、私の発音はひどいのだろうか?? 起きなければこのまま寝過ごしそうだから、とりあえず朝食をとり、プールへ行ってみる。 誰もいない。タオルの貸し出しコーナーにようやく人が立ったのは10:00過ぎ。プール・バーは10:00からと書いてあるのに、始まったのは11:00過ぎ。やる気なさそー。 ピナ・コラーダを注文すると、「お酒ないから、ちょっと待ってて」と言われる。待つこと10分。例のカラオケ・パブから必要なリキュールを持ってきて、ようやく作り始める。あの、すみません、ここってバーではないのですか? お昼、レストランは1つしかないから、昨夜も朝も同じとこ。テラス席がいいよね、と思っていたら、夜のバッフェの準備があるからダメだと。あのう、まだ、12:00なんですけど・・・。 仕方がない、クーラーのがんがん効いた人気のない静かな室内でハンバーガーなんぞを食べ、ビールを飲む。なんか、虚しい・・・。
けれど、夜になっても外のテラスでバッフェなんかやってない。なんで嘘つくのさ。どうやらこのテラス席がリゾートの案内に載っている「WOODEN DECK」というやつらしい。食事もできるようなこと書いてあったくせに。なんもやってない。ゲストが好き勝手に座ってしゃべってるだけ。 せっかくの夜をこんなレストランで過ごしたくないもの。ガイドさんお勧めの「シーフード・レストラン」(ボルネオの食卓参照)へ行くことにした。 - ホリデイ・イン探検隊 - ダマイにはホリデイ・インが2つある。私たちの宿泊したダマイ・ラグーンとビーチ・リゾートで24時間シャトルで行き来できる。土曜日の夜、ビーチ・リゾートではプールサイドでバーベキュー・バッフェをやっていた。この際メニューなんてどうでもいい。中華でもイタリアンでも、この雰囲気を求めていたんだもの。でもやっぱり人がいない。まあ、徐々に賑わってくるだろうと思いつつ食べ始めても席は一向に埋まらない。淋しすぎる! そして、こちらのバーは生バンド。やれ、カラオケよりはありがたい。カウンターの女の子もにこやかで、すごくかわいい。で、もう言わなくてもわかるだろうけれど、ほとんど人はいない。 でもこちらのプールはライトアップされていて、いい感じ。昼間、あのプールバーへ行ってみよう! とはりきって、翌日・・・。 10:00過ぎても誰もプール・バーに立つ気配はない。覗いてみると・・・。 なにさね、これ。 何もかもが錆び付いて、もちろんお酒なんか1本もない。どう好意的に見ても、長年closeしている状態。見せかけだけのプール・バーだったのね! もう、がっかり・・・。 しかたがない(「しかたがない」ばっかり!)、まだ朝食バッフェの片付けも終わらないレストランのテラス席(こちらは狭いながらテラスもopen)でヤケクソになってビールを飲む。 プール・バーないんじゃ、意味ないもの。あるだけマシだよということで同じレストランでお昼を食べてから、ラグーンへ戻る。 結論でいうと、この2つのリゾートはお互いの機能していない部分をシャトル飛ばして補い合っているとしか思えない。
正直、まいりました、これには。クチンまでのシャトルもあるから、何かと用は足せるだろ、って考えがあるんでしょうかね。とにかくすべてがこの調子。拍子抜けもいいとこ。癒しを求めて来たはずなのに、だんだん悲しくなってくる・・・。
- たかがタオル、されどタオル - 小耳に挟んではいたけれど、週末になると中国人の団体さんが大挙してこのリゾートに訪れる。日曜日の朝、めずらしくプールのタオル・コーナーが早々とやっているな、と思い、行ってみると「タオルはもうない」だと。すまなそうな表情ひとつ見せることなく。 「先に泳いで、後でまた来て」 ぬぁんですって! そんなことって、あり? リゾート・ホテルのプールの貸し出しタオルが品切れになるなんて、あっちゃあならんことでしょう。 この日はビーチ・リゾートに行く日だったから、そう言うと 「んじゃ、そっちで借りて」 あったよ、そっちには。 補い合うなよ、こんなことまで!! 昼過ぎ、休暇を終えた中国人の方々が帰ってしまうと、水を打ったような静けさが戻る。またまた淋しい午後。 夕刻、部屋へ戻ると、バス・タオルが交換されていない!! ハウス・キーピングに電話すると、すぐに持ってきてくれたけど、ほんのり暖かい。帰った団体さんが使ったものを慌てて洗濯したんでしょう。ベッドの数×2枚はあっていいはずのタオル、足りないの、ここは? たかがタオルだろうけれど、日数にすれば1年にほんの数日のバカンスのために支払った旅行代金には、このタオル代だって、含まれているはず。 太陽と南風とおいしいカクテルはもちろん、洗い立ての清潔な白いタオルも少なからず私たちに与えられるやすらぎのひとつに違いないんだから。 - 慰めはスタッフの笑顔・・・ なぜマレーシアへ行くの、と聞かれれば、「マレーシアの人が好きだから」ってはっきり言える。けれど、今回に限っては、リゾートが期待はずれだったせいか、たしかに微笑んではくれるけど、なんか、嘘っぽく見えてしまう。仕事上のマニュアルのひとつ、言わば、マクドナルド的な笑顔なのだ。いつも感じていた胸に染みるような微笑み、きちんと仕事をこなし、やることはやった上で、 もってあまりある心の底からの笑顔ではない。と感じてしまうのはあまりにもひねくれすぎかな。 救いはフロントのスタッフ、矢部っちと、プールバーを槍ダーツで盛り上げてくれたイバン君のみ。 物足りない。絶対的に不満足。
- まさか、この光景は・・・ - 静かな波と白砂のビーチ、透明な水のまわりには白いチェア。その、1枚の写真の風景を求めてこの旅は始まりました。なのに、調べてゆくと、ダマイ近辺はマングローブで群生地で、海水は決して綺麗ではなという。そんなことない、ちゃんと証拠写真あるもんっ♪ けれど、情報の通り、そんな綺麗な海は見つからない。あの光景は、は一体、どこにあるんだろう・・・・・・。 あった、あったよ! ホテル内に! 私が見ていたのは海ではなくて、このラグーン・プールの一角だったのよ!! 例の写真のキャプションも「ダマイのビーチ・リゾート」になってる。たしかに、ビーチとはどこにも書いていない。 ああ、誰も私を騙したりしなかった。私の、はなはだしい勘違いだったのです。く、くやし〜い・・・・・・。
- 栄枯盛衰 - あくまでも私の想像なんだけど、最初にビーチ・リゾートを作った頃は、きっと賑わったんだと思う。で、調子にのってもう1つホテルをおっ建ててしまった。けれど2つの大型リゾートを満室にするほどの需要がない。シャトルを飛ばせば事足りる施設は人員削減のため、クローズし、赤字を減らしてる・・・・・・。こんなとこじゃないですか、ホリデイ・インさん?
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